【保存版】これさえ押さえておけば安心!「初詣」の正しい作法とは
新年になると、多くの人で賑わう初詣。近年ではイベントの一つにもなっていますが、ちゃんとした参拝の作法を知っておくと、より意味のあるお参りになりますよ。特に、着物での参拝を考えている場合は、初詣の作法やマナーをしっかり押さえておきたいところ。曖昧な方は、この機会にぜひ覚えておきましょう!
<目次>
・初詣の由来は?
・参拝の作法:「神社」場合
・参拝の作法:「寺院」の場合
・参拝以外のマナーは?
初詣の由来は?
■初詣とは
新年に初めて神社やお寺に参拝し、自分が住んでいる土地の守り神に新年の挨拶をするとともに、その年の幸せを祈願するのが「初詣」です。有名な神社やお寺に行きたい、という方も多いと思いますが、まずは地元の神様のもとを訪れましょう。
■参詣の時期
昔は、元旦(1/1)や、遅くとも三が日(1/1~1/3)に参拝することを「初詣」と呼んでいましたが、近年は松の内(1/7まで)の間にお参りすればよいとされています。また、初詣の回数に決まりはないので、この期間に複数寺社に参拝しても問題ありません。
参拝の作法
初詣は新年の挨拶なので、神社とお寺のどちらにお参りしても大丈夫です。ただし、神社は神様を祀り、お寺は仏様を祀っている、という違いがあるため、参拝の作法もそれぞれ異なる部分があるので注意が必要です。
■「神社」の場合
①鳥居をくぐるときに、一礼
鳥居の先は神様の領域とされ、神聖な場所とされています。まずは、お参りに入らせて頂くという気持ちをもってお辞儀をしましょう。このとき、鳥居の中央は避け、どちらかの柱に寄るようにしましょう。また、帽子などをかぶっている場合は、取るのがマナーです。
②参道は道の端を歩く
参道の真ん中は神様が通る場所です。参拝者は中央を避け、左右どちらかに寄って歩きましょう。
③心身を清める
神社には「手水舎(ちょうずや)」があり、この場所で手と口を清めることで、心身も清めることができるとされています。お清めの方法は以下の通り。
1.右手で持った柄杓に水を汲み、左手を清めます
2.柄杓を左手に持ち替えて、右手を清めます
3.再び柄杓を右手に持ち替え、左の手のひらで水を受け、口をすすぎます
4.口をつけた左手に、柄杓の水を少しかけて洗います
5.最後に、柄杓を両手で持ち、立てるようにして残りの水で柄杓の柄を洗います
手水は最初に汲んだ水で、1~5までを行います。途中で汲みなおすのはNGなので、水は少しずつ使うように意識しましょう。
④参拝をする
拝殿に着いたら、まずは鈴を鳴らしましょう。邪気をはらい、神様を呼ぶという意味があります。
賽銭には、神様に自分の願い・目標・誓いを聞いてもらうことに対する感謝の意味があります。金額に決まりはありませんが、5円玉で「ご縁を」と縁起を担ぐ方が多いですよね。
神社参拝の基本は「二礼二拍手一礼」です。
深いお辞儀を2回、拍手を2回、深いお辞儀を1回、最後に軽くお辞儀をしてその場をあとにします。
初詣は、人が大勢いることが多いので、お願いごとや誓いを立てる場合は長くなりすぎないように気を付けましょう。
⑤帰りも鳥居の前で一礼
参拝後、鳥居をくぐって帰りますが、このときに一度神様の方に向き直って一礼するのが作法です。お参りさせてもらった感謝を込めて、挨拶をしましょう。
■「寺院」の場合
①山門をくぐる前に、合掌して一礼
寺院の場合、神社の鳥居にあたるのが山門。この先が仏様の悟りの領域であるという考え方です。参拝の際は山門前で一礼をしましょう。
②参道は道の真ん中を歩いてもOK
お寺の場合は、参道を歩くのがマナーです。そのため、真ん中を歩いても問題ありません。
③心身を清める
お寺にも手水舎があり、ここで不浄なものを落とします。清め方は神社と同じ作法で構いません。お寺によっては、手水舎が無いところもあるため、その場合はそのまま先に進みましょう。
④鐘をつく
鐘を鳴らすことは、仏様へのご挨拶になります。ただし、お寺によっては参拝者が鐘をつくことを禁止している場合があるので、必ず確認をしましょう。また、許可されていたとしても参拝後に鐘をつくことは「戻り鐘」といわれ、縁起が悪い行為なので気を付けてくださいね。
⑤線香で献香を行う
線香の香りは“仏様をもてなす”とされています。本堂の前に香炉が用意されている場合は献香をし、煙で身を清めましょう。
⑥参拝をする
お寺の賽銭には、自分の欲を捨てるためのお布施という意味があります。そのため、神社のように5円玉(ご縁)にこだわる必要はありません。
また参拝でも「二礼二拍手一礼」は行わず、静かに目をとじて合掌しながら祈り、最後に深くお辞儀をしてその場をあとにします。間違っても拍手はしないようにしましょう。
⑦帰りも山門の前で一礼
参拝後、山門をくぐって帰りますが、このときに一度仏様がいる本堂の方に向き直って一礼するのが作法です。しっかりと挨拶をしてから帰りましょう。
参拝以外のマナーは?
初詣と言えば、おみくじを引いたり、お守りを買ったりと、お参り以外にもやりたいことがたくさんありますよね。しかし、まずは神様や仏様へのご挨拶が先。これらは参拝後に行いましょう。
■おみくじ
おみくじは「大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶」の順番が基本。悪い運勢が出た場合、結んで帰ることが多いですが、戒めの意味も込めて持ち帰ってもOK。財布などに入れておくのも良いようです。処分する際はごみ箱などに捨てず、どの神社でも構わないのでお焚き上げに持っていくようにしましょう。
■お守り・破魔矢
お守や破魔矢は、1年単位で変えるのが良いとされています。そのため、初詣では昨年度に購入したお守りや破魔矢を寺社にお返しするのがマナーです。基本的には、購入した寺社にお返ししますが、難しい場合は異なる場所でも構いません。
■参拝の帰り道
初詣の帰りはまっすぐ家に帰り、神様や仏様から頂いた福を持ち帰るのが良いとされています。新年の晴れやかな気持ちから、ご飯を食べたり買い物をしたりと、つい寄り道をしたい気持ちになりますが、参拝後はそのまま自宅に帰るようにしましょう。
おわりに
初詣のマナーを身に付けることは、神様や仏様に心を込めて向き合うということです。ご利益を受けたいという気持ちだけでなく、姿勢を正して、昨年の感謝と新年の決意を報告することも大切です。ぜひ正しい作法を覚えて、近くの神社・お寺にお参りに行ってみてはいかがでしょうか。