これで着物が着崩れない!お手洗いでのふるまいのコツ

 

着物でお食事、観劇、街歩き……とっても楽しいけれど、避けて通れないのがお手洗いの問題。今回は、着崩れにくいお手洗いでのふるまいのコツをご紹介します!

 

洋式と和式、どっちが着崩れにくい?

着物を着ているときは、できれば洋式トイレを使用したほうがラクです。

「もともと日本のお手洗いは和式なのに、なぜ?」と思われる方もいるかもしれませんが、着物が問題なのではなくて、現代の女性はほとんどが洋装の下着を着けているためです。現代の下着は和式トイレには向かないということは、みなさん身をもって体験していることと思います。

着物のとき、上半身は和装下着を身に着けるでしょうが、ほとんどの方が下半身は洋装下着を身に着けているでしょう。
慣れない着物を着て、不安定な恰好になる和式トイレは、着物初心者の方にはおすすめできません。

 

洋式の場合

お手洗いに入ったら、慌てず落ち着いて、以下の手順で用を足しましょう。
 

  1. 袖を帯上または帯下に挟み込む(振袖など長い場合は左右の袖をおなかの前で縛る)
  2. 裾を、着物・長襦袢・裾除けの順に1枚ずつ捲り上げる
  3. 最後の裾除けは、着物と長襦袢をくるむように捲り上げる
  4. 裾が落ちてしまわないようにしっかり持って(帯の位置で腰紐を巻いて縛って抑える、着物クリップや洗濯バサミで帯に留めるなどしてもよい)、用を足す
  5. 捲り上げたのと反対の手順で、裾除け・長襦袢・着物を元に戻す
  6. 袖を元に戻す

 

「裾を1枚ずつ捲り上げる/元に戻す」ことが、着崩れしにくいポイントです。
慌てて全部をいっぺんに捲り上げると着崩れしやすくなり、元に戻すのも手間がかかります。
長襦袢の裾を戻したあとに、お尻のあたりの布を両手で持って下に引っ張ると、浮いた衿元がぴたっとします。そのあと着物の裾を戻し、帯下に両手を入れて左右にずらし、おはしょりを整えます。

下着はローライズのものがおすすめ。ガードルは履かないほうがいいです。
深履きの下着だと、帯の下に入ってしまって下ろすのが大変です。

 

和式の場合

洋式のほうがラクということはわかっていても、どうしても和式トイレしかないという場合もあることでしょう。
用を足す手順は、洋式の場合と同様です。着崩れしにくいポイントも同様。

ひとつだけ注意することがあるとすれば、絶対に捲り上げた裾を落とさないように死守してください!ということ。
それ以外は洋式も和式も同じです。

上記のふるまいを心がければ、それほど着崩れは起こらないと思います。
着崩れは、お手洗いに行ったから起こるのではなく、歩いたり動いたりといった所作のなかで起こるもの。
お手洗いに行くことを恐れずに、着崩れ直しのチャンスと考えましょう。