着物の草花模様について|着用シーズンを知って四季を楽しもう!

古くから日本では、季節の草花をモチーフにした柄を着物に取り入れ、四季を楽しんできました。着物の柄は、次の季節を待ちわびる気持ちを表現するのがお洒落とされているため、草花模様は実際のシーズンより半月ほど早めに着るのがポイントです。
それでは、季節ごとにどのような柄が適しているのか、春夏秋冬それぞれに分けて紹介していきます。

 

春の草花模様

春の草花模様:桜、藤、牡丹、すみれ、タンポポなど。

 

【桜】

春に着たい柄と言えば、やっぱり桜ですよね。かわいらしく華やかな桜の柄は、見る人の心をパッと明るくします。枝つきの桜のモチーフは春にしか着ることが出来ませんが、花だけの模様であれば一年中着ることができるので最初の1枚にもおすすめです。

 

【藤】

桜が散り始めたら、次は藤の出番です。むらさき色で印象的な藤の模様は、大人っぽい着こなしが好みの人にぴったりです。

 

【牡丹】

鮮やかな牡丹の柄は、春の装いを一層華やかにしてくれます。豪華な花なのでパーティーにもふさわしい柄です。

 

夏の草花模様

夏の草花模様:菖蒲、あじさい、朝顔、竹、笹など。

 

【菖蒲(あやめ・しょうぶ)】

菖蒲は、5月に見頃を迎えます。春の終わりから初夏にかけての着こなしに良いでしょう。

 

【紫陽花(あじさい)】

あじさい柄の着物は、梅雨のどんよりした気分を晴れやかにしてくれます。

 

【朝顔】

さわやかな朝顔の柄は、涼しげな印象で夏にぴったりです。浴衣にもよく使われており、7月~8月が着用シーズンになります。

 

秋の草花模様

秋の草花模様:紅葉、すすき、菊、なでしこ、葡萄、萩、桔梗など。

 

【紅葉】

秋と言えば、やはり紅葉の柄が気になるのではないでしょうか。葉が色づき始める9月頃から着始めると、粋な着こなしになります。

 

【すすき】

すすきは、お月見にかかせない植物です。すすき柄の着物を着て十五夜のお月さまを眺めるなんていうのも、風情があって素敵ですね。

 

【菊】

菊は9月から11月までが見ごろの花です。色とりどりな菊の模様は、寂しげな秋の風景を華やかにしてくれます。

 

冬の草花模様

冬の草花模様:松、竹、梅、椿など。

 

【松竹梅】

吉祥の象徴とされている松竹梅の柄は、年明けのおめでたいイベントにうってつけ。縁起の良いイメージなので、訪問先の方にも喜ばれること間違いなしです。

 

【椿】

椿は種類によって咲くタイミングに差があり、早咲きのものは11月頃、遅咲きの品種では4月に開花します。シーズンが長い花なので、椿柄の着物は冬の間中着ることができます。

 

まとめ

四季を考えながら草花の模様を選ぶのは、とても豊かで素敵なことだと思います。模様を選ぶ時のポイントは「季節を少し先取りすること」なので、ぜひ覚えておいてくださいね!