こんなに違う!女性と男性の着物の着方
夏祭りや花火大会に、彼氏や旦那さまと浴衣デートができたら素敵ですよね。
女性と男性では、着物の仕立て方も着付け方も違うので、着付けてあげる際には注意が必要。
それぞれの着方のポイントをご紹介します。
男女の着物の違い
まずは、女性用着物と男性用着物の特徴を抑えましょう。
■袖
着たときにもっとも目につくのは、袖です。
女性用の着物には、脇に縫い合わされていない部分があり、これを「身八つ口」といいます。また、袖も体側の部分が大きく開いています。
男性用着物には身八つ口はなく、袖は腕が出る部分以外は縫い合わせてあります。
■身丈
女性着物はおはしょりをつくって着るのが一般的なので、身丈(着物の肩から裾までの長さ)が自分の身長ほど必要です。
男性はおはしょりをつくらずに着物を着るので、「身丈=着丈」。羽織ったときに引きずらない、ぴったりの丈で仕立てます。
■衿
衿部分の仕立ては、女性着物の場合「広衿」という折って着付けるものが一般的。浴衣などは「ばち衿」といって、最初から折って縫い付けてある衿です。背中の中心から衿先にかけて徐々に幅が広がるように仕立てます。
男性着物の襟は「棒衿」といいます。折って縫い付けられている点は「ばち衿」と同じですが、「棒衿」は背中の中心から衿先にかけて同じ長さで仕立てます。
■帯
女性の帯は種類がさまざまで、帯幅約30cmを折って巻きます。最初から折った幅でつくられている帯を「半幅帯」といいます。
対して男性の帯は「角帯」もしくは「兵児帯」の2種類。「角帯」はかたく織られた帯で、帯幅約10cm。「兵児帯」は子どもの着物にも使われるやわらかい帯です。
女性着物の着方のポイント
男女差の大きな着物の着方のポイントは、衣紋・おはしょり・帯の位置の3点です。
まずは女性着物の着方から見ていきましょう。
■衣紋を抜く
首筋が見えるように衿を背中側に下げて着ることを、「衣紋を抜く」といいます。うなじをきれいに見せ、女性らしさを際立たせるポイントです。
衣紋を抜きすぎるとだらしのない印象になるので、注意が必要です。
■おはしょりをつくる
女性着物は身丈が長いので、おはしょりをつくって布をたたむ必要があります。裾の調節ができ、便利な部分です。
■帯の位置は高めに
男性に比べ、女性の帯の位置は高め。胸のすぐ下に巻き、胴回りを覆うような形になります。
男性着物の着方のポイント
■衿は首に添わせる
女性のように衣紋を抜かず、衿を首に添わせて着ます。
■おはしょりをつくらない
男性着物は「身丈=着丈」で仕立てるので、おはしょりをつくる必要がありません。
■帯の位置は低め
男性の帯は腰の部分、女性の帯に比べてかなり下の方で締めます。
横から見て帯が前下がりになるようにし、お腹が少し出ているようなシルエットになるとかっこいいです。
まとめ
男女兼用の着物というものはなく、仕立てから大きく異なります。
衿の合わせ方は男女で同じ右前(自分から見て右側を先に合わせる)。左前にすると死装束になってしまいますので、決してしないでくださいね!