代表的な帯の種類と結び方~振袖編~

振袖は未婚の女性の装いで、結婚式や結納式、パーティーなどお祝いの席で着る着物です。成人式には新成人の女性がそれぞれの振袖で身を飾り、とても華やか。特に豪華な織りの袋帯で結ばれた帯結びにはさまざまな形があり、結び方で印象も変わります。
今回は、代表的な振袖の帯結びについてご紹介します。

 

■立て矢結び

もともとは江戸時代、大奥の女中がしていた結び方で、肩から腰に掛けて斜めに背負うような形をしています。女中といえども大奥勤めの女性はみな身分の高い女性ですから、今でいえば大企業のキャリアウーマンといったところでしょうか。
シャープな印象で、きりっとかっこよく振袖を着こなすことができます。

 

・花流水矢結び

立て矢結びのアレンジのひとつです。立て矢結びと同様に結びますが、たれを折り込まずに垂らすので動きが出て、より女性らしい印象に。ヒップが少し隠れるので、おしりまわりが気になる方におすすめの結び方。

 

■ふくら雀結び

明治時代に考案されたといわれる、比較的新しい結び方。ふくら雀とはその名の通り「膨らんだ雀」ですが、「福来雀」などの字を当てられ、縁起の良いモチーフとして好まれています。ふっくらとしたシルエットがかわいらしい、清楚な印象の結び方です。

 

・花結び

ふくら雀結びのアレンジのひとつ。雀の羽を思わせる部分をゴージャスに、花のように結びます。

 

■文庫結び

江戸時代、武家の女性がしていた格調高い結び方。手紙などを入れる「文庫」という箱がモチーフです。アレンジも豊富。

 

・蝶文庫結び

文庫結びのアレンジのひとつで、文庫の上に蝶々がとまったような愛らしい結び方。文庫のひだを長めにたらしてもかわいいです。

 

帯結びのアレンジは多種多様

このほかにも、振袖のときに結ぶ帯結びのアレンジはたくさんあります。
帯結びで印象ががらりと変わるのも、振袖の魅力のひとつ。
振袖をかわいらしく着たいのか、クールでかっこいい印象で着たいのか、はたまたゴージャスさを重視するのか、イメージしておくと着付け師さんに伝えやすいですよ。