帯に無地部分があるのはどうして? 帯柄の入れ方の違いとは
着物屋さんで帯を見ていて、全部に柄がついていたり、一部は無地だったりといった帯に出会ったことはありませんか?
なぜ柄の入り方が違うのか、それぞれどんな意味があるのか気になりますよね。今回はそんな、帯の柄の入れ方についてご紹介します。
全通柄の帯
全通柄とは、全体に柄がついている帯のこと。丸帯や袋帯で用いられます。
丸帯は現代では主に花嫁衣装で用いられ、全通柄の袋帯は振袖用の帯に向いています。
なぜ振袖用の帯が全通柄なのかというと、さまざまな変わり結びに対応するため。無地部分があると結び方のアレンジが制限されてしまうので、全通柄のほうが結び方を楽しめます。
近年は、しゃれ袋帯でリバーシブルの帯も増えています。表と裏で異なる柄の生地を袋仕立てにしたもので、1本で2柄が楽しめるのでカジュアル着として人気です。
また、フォーマルな織りの袋帯でもリバーシブルで使えるように仕立てられたものもあります。
リバーシブル帯も、全通柄の帯の1種といえるでしょう。
六通柄の帯
六通柄とは、帯の6割程度に柄がつけられている帯のこと。帯は胴回りを2回巻くので、1周目は着用後に隠れます。この部分のみが無地となります。
見えない部分を無地にすることでコストを減らすことができ、一般的に全通柄よりもリーズナブル。
ただし、ふくよかな方の場合は無地部分が2周目に出てきてしまうことがあるので、注意が必要です。
お太鼓柄の帯
ポイント柄とも呼ばれるお太鼓柄。お太鼓結びをしたときに、太鼓部分とタレ部分、おなか部分の3カ所に柄がある帯のことをいい、お太鼓結び専用の柄付けです。
柄付け部分が少ないので、柄の出方を自在に操るには練習が必要。上級者向けの帯といえるでしょう。
まとめ
一般的に、柄がたくさん入っている方が豪華なために高価で、柄が少ないとコストカットされるため比較的安価となります。
しかし、しゃれ袋帯などのおしゃれ着用の帯については、この限りではありません。
ご自分の好みの帯を見つけてくださいね。