生地にも格がある?覚えておきたい着物の素材4選
洋服にいろいろな生地があるように、着物にも多くの素材が使われているのはご存知でしたか? 今回は各素材の特徴や用途の違い、取扱いの注意点などをご紹介いたします。
着物生地の種類と特徴
■正絹
生糸から紡がれた絹糸で織られた布。肌触りがよく、光沢があります。留袖や訪問着などフォーマル着物に限らず、小紋や紬などのカジュアル着物も正絹でつくられたものが多いです。
■木綿
ザ・普段着の着物。丈夫さが特徴で、水をくぐるほど柔らかく着心地がよくなります。浴衣生地には木綿が多いです。
■麻
風通しのよい、夏着物や浴衣に向いた生地です。木綿同様、着込むほど着やすくなります。
■ポリエステル
「化繊の着物」「洗える着物」として流通しています。プレタポルテの着物が流行り出したことで広まりました。汚れても家で洗えるので気軽に着用でき、また柄付けがいい意味で「着物っぽくない」ものが多いことも特徴のひとつです。
素材による格や用途の違い
文句なしに格が高いのは、正絹のフォーマル着物。正絹でも、小紋や紬はカジュアル着物ですので格は高くありません。
木綿や麻の着物は、値段や柄付けに関係なくカジュアルな場でのみの着用となりますので、格は低いです。
悩ましいのはポリエステル。見た目ですぐにポリエステルとわかるような安価なものから、着心地も風合いも正絹と比べて遜色ない高級化繊の着物とピンキリです。
ポリエステルの着物は「~風」としてつくられていることが多いので、「紬風」なら紬として、「小紋風」なら小紋として着るといいでしょう。
「訪問着風」のポリエステルの着物もありますので、この場合フォーマルな場にも着用できるということになります。
ここに注意して!
正絹は自宅では洗えませんので、プロに頼むことになります。また、手入れや収納の仕方によっては、年月が経つと黄色く変色してしまう場合があります。
木綿や麻は自宅で洗えますが、縮むことがあるので注意が必要。収納の際は虫食い対策が必須です。
ポリエステルは物によりますが洗濯機でも洗え、縮むこともないので気軽に着ることができます。デザインが豊富なことも特長です。ただし正絹や木綿に比べて重い、夏暑く冬寒い、すべりやすいので着付けが難しい、という難点も。
まとめ
素材ごとのメリット・デメリットを把握して上手に使い分けることで、着物ライフがもっと楽しく便利になりますね。